ガラスパールとは?グラスパールとは?
ガラスパールとは本真珠を模して作られたイミテーションパールの一種で、成形したガラス玉に幾重にもパール塗料をコーティングして真珠の輝きを作り出した模造真珠になります。
ガラスパールは20世紀初頭から現在まで高い人気を誇るヴィンテージのコスチュームアクセサリーの作品に多用されている素材で、アクセサリー素材として古い歴史を持つため、現在では世界各国で製造されています。
ガラスパールの作成は原玉となるガラス玉の成形からはじまります。
削りで成形されるガラス玉が原玉に使われている、ほぼ真円に近い均等な形状なものや、機械巻きのガラス玉が原玉に使われている、ラウンドからニアラウンドのクラフト感溢れる形状のものなどがあります。
成形したガラス玉にパール塗料が塗装されるとガラスパールは完成になりますが、ガラスパールの塗装は人工的に真珠層を作るように何度もパール塗料をコーティングするという作業になります。
この作業はガラスパールの表面に気泡が付いてしまわないよう、ガラス玉を静かにパール塗料に浸しては乾燥させるという作業を何度も繰り返して行われています。
通常のガラスパールではパール塗料の塗装→乾燥までで完成になりますが、最後の仕上げにミガキと呼ばれるポリッシュ仕上げが施されたミガキガラスパールというものもあります。
ミガキガラスパールは通常のガラスパールと比べ、表面がより艶やかになるため、オーロラのような七色の輝きがあります。
日本製のガラスパールはかつて世界市場で高いシェアを誇り、世界中に輸出されていました。
現在では安価な中国製のガラスパールに世界市場のシェアを奪われて輸出量は減少。
日本製のガラスパールは生産量が減少してしまったことで業界全体が低迷してしまい、後継者難により廃業してしまった工房も多く、代々の技術を継承している職人が年々少なくなってしまっているといいます。
中国製品の顕著な躍進の背景には、中国製品は日本製品に比べて品質面では劣っているものの価格が安価なことから、品質の違いよりも価格を重視する傾向にあるアメリカ市場においてシェアを著しく拡大させていることにあるようです。
かつては完成度の高さから世界中で愛されていた日本のガラスパールが年々市場から姿を消してしまっていることを大変残念に感じるとともに、クオリティの高い国産のグラスパールの需要拡大に少しでも貢献できたらと考えています。